社会で求められる能力の理解を通してより明確な就業イメージを喚起
職業教育・キャリア教育 / 職業指導・進路指導
職業教育・職業観の涵養を目的とした活用例
「人として基礎的な事をもっと教え込んで欲しい」 といった経済界からの声は、学問を広める機関としての学校にとっては、甚だ迷惑なものかもしれません。
また、十人十色の想いや解釈が存在し、どんな能力が求められているのかも明確ではありません。
求められる全てを表している訳ではありませんが、
厚生労働省 「就職基礎力」 |
必要な要素 |
内容 |
コミュニケーション能力 |
意思疎通
協調性
自己表現力 |
職業人意識 |
責任感
向上心・探究心
職業意識・勤労観 |
基礎学力 |
読み書き
計算
社会人常識 |
ビジネスマナー |
基本的なマナー |
資格取得 |
IT関連
会計関連
語学関連 |
橋渡しを期待される行政が取り組んだ指針・指標であり、能力向上面でのカリキュラムとの連動性といった面でも、これらをベースに考える事が現実的です。
一番気になる
『 これらのプランに組み込まれたプログラムをいかに学校生活の中に取り組んでいくのか?』 という問いに対する明確な答えはありません。
扱う問題の質(難しさ・多面性・・)を考慮すれば、現時点では、現場が創意工夫しながら取り込んでいくための指針・指標であると思われます。
2つを比較すると、
就職という一点に狙いを絞った厚生労働省のプログラムに対し、働いていく上でのより実際的な要素を取り上げるのが、経済産業省の 「社会人基礎力」 と言えます。
力をより細分化した しごとの力トランプの中で取り上げる力が、「社会人基礎力」中の何に分類、相当、関係があるのかを以下に提示します。
現場がHOWを生み出すための基礎として、「それが何なのか?」 を理解する際の参考になればと思います。
経済産業省 「社会人基礎力」
必要な要素 |
内容 |
しごとの力トランプ の中で関係する力 |
「前に踏み出す」
主体性 |
物事に進んで取り組む力 |
♠2学習力 ♠5当事者力 ♦6断り力 ♥5反省/検証力 ♥7自己演出力 ♥8付加価値力 JOKER渇望力 |
働きかけ力 |
他人に働き掛けて巻き込む力 |
♠9ジョイント力 ♥2棚上げ力 ♥4ホスピタリティ力 ♥J任せ/頼り力 JOKER恋愛力 |
実行力 |
目的達成へ確実に行動する力 |
♠10幕引き力 ♣1リベンジ力 ♦1一日清算力 ♦3実行力 ♦5判断/決断力 ♥6自制/自律力 ♥9笑われ力 |
「考え抜く」
課題発見力 |
現状分析し、課題を明確にする力 |
♠3目標設定力 ♣10発見/発掘力 ♣K先見力 ♦4分析力 |
計画力 |
課題解決への過程を準備する力 |
♣3キャッシュ力 ♣7情報収集力 ♦9俯瞰/バランス力 |
創造力 |
新しい価値を生み出す力 |
♣4度外視/投資力 |
「チームで働く」
発言力 |
意見を分かり易く伝える力 |
♣2報告/連絡力 ♦7言葉化力 |
傾聴力 |
相手の意見を丁寧に聞く力 |
♠6聴き力 |
柔軟性 |
意見や立場の違いを理解する力 |
♠7変化適応力 ♦10やり過ごし力 ♦K心理学力 |
状況把握力 |
人や物事の関係性を理解する力 |
♠J付き合い力 ♣5だんまり力 ♣8役割認識力 ♦8嘘も方便力 ♦Qシンクロ力 ♥1自分知力 ♥3観察/洞察力 ♥Q足る知力 |
規律性 |
ルールや約束を守る力 |
♠4遵法力 ♠8誠実力 ♠Q外見力 ♠K安全力 ♣6ON・OFF力 ♣9礼節力 ♣Q時間力 |
ストレス
コントロール |
ストレスの発生源に対処する力 |
♠1道草力 ♣J通勤力 ♦2一人で居られる力 ♦Jケセラセラ力 ♦K不満足力 ♥10忘れ/許し力 |
- アイスブレーク 研修ツール キャリア で提示する方法その他で、カードのやり取りを行う
- 対象者の成熟度に応じ、手元に残ったカードに関して、以下の3〜5で挙げる項目を題材として討議する
- 【この力があると思える有名人 / 身近な人】
- 【学校生活の中で発揮したエピソード】
- 【経験こそが力を伸ばすための必要要素とするならば、学校生活の中でどんな経験を積むべきか?】
就職後の一定期間は、その後の職業人生に対して与える影響度の面で計り知れないものを持ちます。
この時期に、良い出会いを得たり、仕事に関する良い捉え方を得る事ができないと、その後の職業人生がつまらないものとなり、本人を後悔させる事となる選択を強いる事になります。
就職後の一定期間に連なる就職前の期間は、何を持たせてスタート地点に立たせるのかを決める大切な時間です。
しごとの力トランプ で取り上げる 【力】 は、
- アイテムを集め、集めたアイテムを使って進めていくゲームのような感覚で仕事を捉えてもらえれば・・・。
- 集める事ができないアイテムがあるのなら、他のアイテムで戦えばよいと捉えてもらえれば・・・。
- 力は経験の結果身に付けた自分の手先としての武器に過ぎず、持っていないからといって自己同一視しない感覚を身に付けてもらえれば・・・。
- 日常の中のどんなシーンでも培っていく事ができるのが 「仕事の力・能力」という感覚を持ってもらえれば・・・。
- 自分が自分に力を付けさせる感覚を身に付ける事で、様々な経験への主体性や積極性、自分を冷静に眺める客観性を身に付ける事につながれば・・・。
といった着想の下に考察し、
高校生や大学生、若手社員がカード1枚1枚を眺めて欲しいとの想いから、トランプの作成を開始しました。
職業観の涵養に関する利用方法として、ゲーム的な利用方法は提示致しませんが、
「どこか気になる」、「共感できる部分がある」 カードに関して、討議していただければと思っています。
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